四男が2歳の頃のことです。幼稚園の振替休園の日、下の子3人(2歳・4歳・6歳)を連れて、少し遠くの遊園地に出かけました。雨上がりで、あちこちに水たまりが残っていました。
大きな砦のような遊具。階段やトンネル、滑り台もあり、子どもたちは大喜び。でも中は大人には狭く、私は少し離れた場所から見守っていました。
流血、私ひとり
遊び始めて間もなく、次男が慌てて呼びにきました。行ってみると、四男が階段で滑って大泣きしています。首の少し上あたりから血が流れていました。
その場に大人は私ひとり。驚きと不安で震えながらも、必死に頭を働かせました。
「泣いているから、たぶん大丈夫」
「でも出血が多い。まず押さえなきゃ」
手元にあるのはティッシュだけ。とりあえずトイレへ行き、洗い流そうとしました。でも水で流しても、血はどんどんあふれてきます。
なんとか自分を落ち着かせ、やっとの思いで駐車場へ。幼児の足ではなかなか進まず、気持ちばかりが焦りました。
車にたどり着き、タオルで傷口を押さえ、3人をチャイルドシートに固定。水分とおやつを渡して落ち着かせ、自分も運転席で深呼吸しました。それでも手は震えていました。
地元の病院に電話すると、「近くの病院へ」と言われました。でも長男の帰宅時間も気になります。治療が長引けば、私ひとりでは対応できないかもしれない。
高速で30分、約40キロ。迷いながら事情を伝え、地元で診てもらえることになりました。
不安と責任でぎりぎりの精神状態のまま、カーナビをセットし、夫に連絡。震える手でハンドルを握りながら、子どもたちに声をかけ続けました。自分を落ち着かせるためだったのかもしれません。
結果、数針縫ってもらい、無事に帰宅できました。タオル2枚が血だらけになるほどの出血でしたが、傷自体はそれほど大きくありませんでした。
ひとりで対処しなければならない重圧と不安から解放され、病院についてからの記憶はほとんどありません。夫といつ会ったのか、長男はどうしていたのか。気づけば震えもおさまっていました。
お下がりでも良いものと、そうでないもの
原因ははっきりしています。雨で濡れた縞鋼板の階段。四男はお兄ちゃんたちに置いていかれまいと、慌てて降りたのです。
履いていたのは、お下がりのクロックス。ディズニー柄のかわいいサンダル。上の子たちも履いたものですが、底はすり減ってツルツルでした。
上の子たちは自分で運動靴を履けます。でも四男には、私が履かせやすい脱ぎ履きしやすいものを選んでいました。
「ちゃんと新品を買えばよかった」
あとから、そう思いました。
4人兄弟。同性だからこそ、ほとんどのものがお下がりでした。それ自体が悪いとは思っていません。たくさん助けられてきました。
でも、命や安全に直結するものは別。
あの日の流血は、私にとって強烈な学びになりました。どこに手間とお金をかけるのか。その選択の重みを、今も忘れられません。


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