また来年ね、が最後になるなんて

子育ての出来事

四男は小学4年生からプログラミングを始めました。ロボットを作り、プログラミングを組み、大会に出る活動です。最初は「付き添い」のつもりで参加したその大会が、いつの間にか私自身の大切な場所になっていました。

ロボットを製作し、プログラミングを組み、大会に参加する活動です。
小学6年生からは全国大会に出場できるようになり、その後も毎年参加させていただきました。
大会は親子で泊まりがけ。
全国から集まった子どもたちが、自分たちで作ったロボットを持ち寄り、競技やプレゼンテーションを行います。
四男は小学校の同級生と2人でチームを組んでいました。
大会中はスケジュール管理から競技の準備まで、すべて自分たちで行います。
外部からのアドバイスは一切禁止。
子どもたちだけで考え、判断し、行動します。
アジア大会に出場したときには、英語での質疑応答もありました。
初めて参加した大きな大会がアジア大会だったので、その会場の広さや規模の大きさに圧倒されたのを覚えています。
そして、その大会で3位入賞。
誇らしくて、嬉しくて、忘れられない思い出です。

子どもだけでなく親も成長していた

私は最初、何もわかりませんでした。
ボランティアスタッフとして受付をしたり、会場を巡回したり。
できることを少しずつ手伝っていました。
ところが毎年参加しているうちに、ロボットの車検や審判補助、タイマー係や得点係なども任せてもらえるようになりました。
運営スタッフの皆さんとも顔なじみになり、
「今年もよろしくね」
「助かるよ」
と声をかけてもらえるようになりました。
沖縄から来るボランティアスタッフさんとお土産交換をすることもありました。
子どもの付き添いとして始まった大会でしたが、気づけば私自身もその場所が好きになっていました。
母親としてだけではなく、一人のスタッフとして頼ってもらえることにも充実感を感じていました。

「また来年ね」が当たり前だった

毎年大会が終わると、
「お疲れさま!」
「また来年ね!」
と挨拶をして帰りました。
子どもたちも、保護者も、スタッフも。
みんながまた来年会うことを当たり前のように思っていました。
私もそうでした。
全国大会は小学6年生から中学2年生まで3回。
アジア大会にも1回参加しました。
毎年出場できたのは、子どもたちの努力と運のおかげです。
でも私は、どこかで来年も続くと思っていたのです。

帰り道で聞いた一言

中学2年生の大会が終わった帰り道でした。
四男がぽつりと言いました。
「もうやりきったかも。来年は受験もあるし、これが最後の大会かも」
私は思わず言いました。
「えーーー。私は来年も来ると思ってたのに。最後だとわかってたら覚悟したのにぃ」
本当にそんな気持ちでした。
寂しいのか。
もったいないのか。
がっかりなのか。
自分でもよくわかりませんでした。
もちろん主役は子どもです。
本人がやりきったと思うなら、それが一番です。
でも、親としては何とも言えない気持ちが残りました。

最後だと知っていたら

今でも思います。
最後だと知っていたら、何かが変わっただろうかと。
たぶん写真の枚数が増えたわけではありません。
特別なことをしたわけでもないと思います。
ただ、もっと覚悟を持ってその場にいたかった。
いつもの大会の一つではなく、
「これが最後かもしれない」
そう思いながら子どもの姿を目に焼き付けたかったのです。
実は長男と次男のバスケットボールもそうでした。
また来年も試合があると思っていました。
ところがコロナ禍で大会はすべて中止。
そのまま引退になりました。
また来年は、必ず来るとは限らない。
そんなことを何度か経験しました。

応援していたつもりだったけれど

私はずっと、
送迎も手伝いも子どものためだと思っていました。
子どもがやりたいことを応援するため。
それは間違いありません。
でも振り返ると、それだけではなかった気がします。
同じ会場にいること。
同じ景色を見ること。
帰り道に、
「あの場面見てた?」
「あれはこうだったんだよ」
と話を聞くこと。
そんな時間が好きでした。
大会中はほとんど会話をしない日もあります。
会場では親が口を出すこともできません。
それでも同じ空間で同じ時間を過ごしているだけで嬉しかったのです。
見守るだけ。
関わりは最低限。
子どものために手伝っているつもりでした。
でも本当は、私自身がその時間を楽しんでいたのかもしれません。
子どもの挑戦を応援できたこと。
やりたいことを思いきりやらせてあげられたこと。
そして、その時間を一緒に過ごせたこと。
最後だと知らずに終わってしまった大会でした。
それでも振り返ると、残念だった気持ちよりも、
あの時間を共有できたことへの感謝の方が大きいような気がしています。

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