子どもが小さい頃、わが家の朝はいつもバタバタしていました。
小学生の子、幼稚園の子、まだ家にいる子。
朝はまず、子どもを起こすところから始まります。
とにかく、起きない。
「起きて」と声をかけても、なかなか起きてこない。
やっと起きたと思ったら、今度は着替えたり、支度をしたり、朝ごはんを食べたり。
私はその間、時計を何度見たことか。
朝の1時間で、いったい何回時計を見たんだろう。
時計に穴が開くんじゃないかと思うくらい、何度も確認しながら過ごしていた気がします。
そんな朝に、もう一つ大変だったのが朝ごはんでした。
最初の頃は、栄養のことを考えて、ちゃんと朝ごはんを用意していました。
ご飯にお味噌汁、簡単なおかず。
副菜をつけることもありました。
でも、頑張って作っても食べない。
残す。
「何が食べたい?」と一人ずつ聞いてみれば、4人とも言うことが違う。
それぞれの希望を聞いていたら、とても朝の時間には間に合いません。
そのうち、私はそれぞれがいつも食べるものを出すようになりました。
長男は、しっかり食べたい子だったので、ご飯とお味噌汁と簡単なおかず。
次男はチーズトースト。
三男は甘い系のパン。
四男は……何を食べていたのか、今となってははっきり覚えていません。
何でもよく食べてくれていた気がします。
4人とも、朝ごはんが違いました。
好きなものはだいたい決まっているし、食べやすいものなら、時間のない朝にも向いています。
食べないものを作って残されることもなくなりました。
食べたいものがあるときだけ、「今日はこれが食べたい」と言ってくる。
そんな感じになっていきました。
栄養のことも、一食ごとに考えるのではなく、一日の中で考えるようになりました。
朝の台所も、だんだんと決まった流れになっていきました。
子どもが起きてくる順番も、だいたい決まっています。
その順番に合わせて、食べるものが出来上がるように準備していく。
コンロを使い、電子レンジを使い、トースターも使う。
お湯を沸かすような時間のかかるものから先に始める。
ほとんど毎日同じ作業です。
そうすると、準備することも作ることも、だんだん流れ作業のようになっていきました。
毎朝「今日は何を作ろう」と考える必要もありません。
決まったものを、決まったように作る。
それだけなので、少し余裕ができました。
その分、子どもたちに目を向けることもできたように思います。
とはいっても、毎朝そんなに穏やかだったわけではありません。
とにかく時間がない。
食が進まなくて、いつまでもぐずぐず食べている子もいました。
時間ぎりぎりになって、駆け込むように食べる子もいました。
中には、バスに間に合わなくなって、パンをくわえながら靴を履いて、走りながら食べている子もいました。
バスの中で食べるわけにはいかないので、バス停の手前で全部を口に押し込む。
行儀が悪いけれど、食べないよりはマシかな。
そんなふうに思っていた気がします。
ちょっと漫画みたいな朝です。
長男と次男は高校から家を出たので、4人が家にいる間は、ずっとこんな感じでした。
子どもが二人になってからは、食べたいものがあれば自分で作るようになったくらいで、朝の形が大きく変わったわけでもありません。
あの頃の朝は、とにかく毎日が同じでした。
起こして、着替えさせて、朝ごはんを作って、食べさせて。
時計を何度も確認して、送り出す。
その繰り返し。
その中で、朝ごはんだけは、いつの間にか4人それぞれ違うものになっていました。
あの頃の私に「おつかれさま」と言いたい。
毎朝、何度も時計を見ながら、起きない子を起こして。
コンロと電子レンジとトースターをフル活用して、それぞれ違う朝ごはんを作って。
最後はパンをくわえて走っていく子を見送る。
そんな朝を、4人分。
あの頃の私は、過ごしていたんだな。


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