子育ての正解って、どこかにあるのでしょうか。
子どもが増え、それぞれ成長するにつれて、
「ちゃんとできているかな」 「本当に、これでいいのかな」
そう思って立ち止まることが何度もありました。
そんな私がたどり着いたのは、正解を探すことではなく、
「私がやりたいと思ったことを、やってもいいんじゃないかな」
という考え方でした。
これは正解を見つけた話でも、うまくいった話でもありません。
「普通はこうする」「当たり前だから」
そんな考えを少しずつ手放してきた、私の自己満足のお話です。
もし今、「これでいいのかな」と立ち止まっている人がいたら、肩の力を抜いて読んでもらえたらうれしいです。
パン派とごはん派、二つのお弁当
我が家には息子が四人います。
この一年、お弁当を作っていたのは、高校三年生の三男と、高校一年生の四男の分でした。
でも、お弁当は一つではありません。
毎朝、二種類。
三男はパンか麺のお弁当。
四男はごはんのお弁当です。
三男は小さい頃から、お菓子や甘いものが好きで、ご飯の好き嫌いも多い子でした。
特に冷たいご飯が苦手。
高校生になってからは、少しでも食べやすいように保温できるお弁当箱に変えてみました。
それでも、ご飯を残してくることがありました。
成長期なのに、お昼をしっかり食べられないほうが心配。
それなら、ちゃんと食べられるものを持たせよう。
そう思って、パンや麺のお弁当にすることにしました。
一方、四男は運動部。
しっかりご飯を食べたいタイプです。
こうして一年間、我が家では「パン派」と「ごはん派」、二種類のお弁当を作る朝が続きました。
朝は毎日、時間との勝負
正直、お弁当作りは好きではありません。
朝も苦手です。
だから朝に献立を考える余裕なんてありませんでした。
毎晩、布団に入ると冷蔵庫の中を思い浮かべます。
「明日は何を作ろう。」
パンには何を挟もう。
ご飯のおかずは何にしよう。
同じ食材を使いながら、二人が食べられるように段取りを頭の中で何度も考えてから眠りにつく。
朝はギリギリまで寝て、起きたら一気にフル回転。
時計を何度見たかわからないくらい、毎日時間との勝負でした。
効率だけを考えたら、とてもいいやり方ではありません。
冷凍パスタや菓子パンに頼る日もありました。
それでも、その時の私には、このやり方が一番しっくりきていました。
「おいしかった」がうれしかった
前の日に特大のハンバーグを多めに作った日がありました。
翌日は、それをパンに挟んで特大ハンバーガーのお弁当。
二人とも、とても喜んでくれました。
でも、三男はデミグラスソース。
四男はケチャップ。
これを間違えると大変です(笑)。
そんな小さな違いも、その子らしさ。
パンとごはん。
食べ方は違っても、
「今日のお弁当、おいしかった。」
二人が同じように言ってくれる日は、とてもうれしかったのを覚えています。
これでよかったのかな
もちろん、迷うこともありました。
こんなに好みに合わせていいのかな。
当たり前になってしまわないかな。
わがままにならないかな。
答えは、今でもわかりません。
もっと効率のいい方法もあったと思います。
でも私は、高校生にもなると親が直接してあげられることは少なくなっていくことを感じていました。
だからこそ、今できることを、できる範囲でやりたかった。
子どもの喜ぶ顔が見たかった。
それは子どものためでもあり、私自身のためでもあったような気がします。
今日で終わり
数日前から、「もうすぐ終わるんだな」と少し寂しく思っていました。
でも最後の日の朝は、いつも通り。
時計を見ながら必死でお弁当を作って、送り出して。
何事もなく一日が終わりました。
子どもが帰ってきてから、
「あ、今日が最後だった。」
そう気づいたくらい、いつもと変わらない朝でした。
その時は「やりきった」という気持ちのほうが大きかったのですが、時間がたつにつれて、じんわり寂しさが広がってきました。
今、三男は進学して家を離れています。
あの一年、パン派とごはん派、二種類のお弁当を作っていた朝は、もう戻ってきません。
正解より、自分がやりたいことを
子育ての正解は、今でもわかりません。
二種類のお弁当を作ったことが正しかったのか。
甘やかしてしまったのか。
それとも、もっと違うやり方があったのか。
答えは、この先もわからないかもしれません。
でも一つだけ思うことがあります。
あの頃の私は、子どもの喜ぶ顔が見たくて、今できることを、できる範囲でやりたかった。
その気持ちに素直に動けたことは、今振り返っても「やってよかった」と思えるのです。
子どもは、思っている以上にあっという間に大きくなります。
だからもし今、「これでいいのかな」と立ち止まっている人がいたら。
正解を探すことに疲れた日は、自分の「やってあげたい」という気持ちにも、少し耳を傾けてみてもいいのかもしれません。


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