次男が2歳くらいの頃、熱が続いていました。
風邪でもなさそうで、なかなか熱が下がらない。
原因がわからないまま病院へ行き、血液検査をして、とりあえず点滴をすることになりました。
点滴の針を入れるときは、処置室で体をぐるぐる巻きに固定されて、大泣き。
親は外に出されました。
泣いている声を聞きながら、そばにいて手でも握れたら、もう少し安心できるのにな、と思っていました。
やっと点滴が始まって、待合室に戻ってきた次男。
点滴をガラガラ引きながら、ベンチにちょこんと座っています。
当時、私は「1日に1枚は写真を残そう」と思っていて、まだスマホもなかったので、デジカメを持ち歩いていました。
点滴をしている次男を見て、
「こんな姿、滅多にないな」
と思ったんです。
心配な気持ちはもちろんありました。
でも、その姿がなんだかかわいくて、ちょっと気持ちが上がっていたんだと思います。
それで、少し離れたところからカメラを構えました。
すると。
次男が点滴の針を抜いたのです。
ポタポタと血が落ちてきて、ベンチも、床も、服も、あちこち血だらけ。
「やばい」
「あーー、やらかした」
私は慌てて次男のそばに行きました。
目が離せないので、大声で看護婦さんを呼びました。
看護婦さんはかなり怒っていました。
「なんでちゃんと見てなかったんですか」
「何してたんですか」
そんなことを言われました。
そりゃそうですよね。
やっとの思いで入れた点滴を、私が写真を撮っている間に抜いてしまったんですから。
次男はというと、何事もなかったような顔をしていました。
自分につながっている、ちょっと邪魔なものを抜いただけ。
「抜きましたが、何か?」
そんな顔です。
まだ2歳。
悪いことをしたなんて、思ってもいなかったんでしょうね。
その後も熱は下がらず、検査の結果、EBウイルス感染だとわかりました。
そして、入院することになりました。
その時は、熱が下がらないことも、病院に行くことも、入院することも、心配なことばかりでした。
看護婦さんには迷惑をかけてしまって、申し訳なかったなと思います。
私、大変なときでも、その中の小さな楽しみを見つけてしまうんですよね。


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